平成26年3月28日(金)法務大臣閣議後記者会見の概要

今朝の閣議では,法務省案件は特にございませんでした。

いわゆる袴田事件に係る再審開始決定に関する質疑について

【記者】
昨日,袴田事件の再審開始決定,それと拘置の執行停止決定による袴田死刑確定者の釈放という展開となりましたけれども,このことについて大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
【大臣】
今おっしゃった袴田事件につきましては,御指摘の決定がなされたわけです。そこで,静岡地検の検察官が拘置の執行停止の決定に基づいて,袴田巖死刑確定者の釈放手続が執られたわけです。個別具体的な事件における裁判所の判断について,法務大臣としての所感を述べることは差し控えたいと思います。
【記者】
まだ確定したわけではありませんが,今回の再審開始決定が死刑制度の是非を巡る議論にどんな影響を与えるのか御見解をお聞かせください。
【大臣】
死刑制度についてはいろいろなお考えがあると思いますし,これからも議論があると思います。
【記者】
死刑囚の長期収容問題についても,袴田さんに関して言えば確定から30年以上過ぎています。その問題に関して,今後の議論の必要性をどのようにお考えでしょうか。
【大臣】
それぞれの死刑執行の在り方というような問題については,私はコメントしないことにしております。御承知のように6か月以内に執行するということが,本来,法律で定められているところですが,様々な事情で現在のようなことになっているということはしっかり意識しておかなければいけないと思います。
【記者】
この再審開始決定は,科学の進歩,特にDNA鑑定ですが,その一面だけを捉えるつもりはありませんけれども,その辺のところが大きいと思います。それについて,大臣の御見解をお願いします。
【大臣】
個別の事件に関して,裁判所がどういうふうに証拠を見たか,あるいは検察がどういうふうに証拠を見ているのかというようなことは,法務大臣としては答弁は差し控えたいと思います。
【記者】
今回の袴田事件に関して言うと,再審請求審の中で,5点の衣類のカラー写真が初めて示されて,それが再審開始決定の一つの根拠となっているようですが,刑訴法では再審請求審において証拠開示の規定が特にありません。今後,これについての法整備の必要性について大臣はどのようにお考えでしょうか。
【大臣】
おっしゃるように,通常の公判手続と再審請求手続とでは構造が違いまして,証拠開示の仕組みもあるわけではありません。その辺についてはいろいろな御議論があるだろうと思いますし,我々も耳を傾けなければならないと思います。
【記者】
逮捕から48年たって釈放されたということですけれども,再審開始決定や釈放などの手続的な部分での御見解ということではなくて,48年ぶりに釈放された袴田さんに対して何かございますか。
【大臣】
逮捕以来,48年間外に出ておられなかったわけで,相当な環境の激変があるだろうと思います。その点は御周囲の方も十分配慮されるというか,いろいろ心をお遣いになると思いますが,その辺をうまく乗り越えていただきたいと私も思っております。
(以上)