令和4年11月11日(金)齋藤法務大臣初登庁後記者会見の概要

法務大臣就任に際しての抱負等に関する質疑について

【記者】
法務大臣就任に際しての抱負をお伺いします。特に、葉梨前大臣の失言での交代となりましたが、今後法務行政の信頼を獲得していくためにどのように臨みたいでしょうか。
また、死刑制度に関する御自身のお考えをお聞かせください。

【大臣】
一番大事なことは、国民から信頼される法務行政の実現だと考えています。
法務省は、先ほど申し上げたように、基本法制の維持及び整備、法秩序の維持、国民の権利擁護などの極めて重大な使命を帯びていると思いますので、法務省がその重大な使命をしっかりと果たすことによって、国民の皆様からの信頼をしっかり得ることができたらと考えています。
死刑制度についてお話がありました。死刑制度の存廃は、我が国の刑事司法制度の根幹に関わる重要な問題です。国民世論に十分配慮しつつ、社会における正義の実現等、様々な観点から慎重に検討すべき問題であると考えています。
国民世論の多数が極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えています。多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況等に鑑みますと、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては、死刑を科することもやむを得ないのであり、死刑を廃止することは私は適当でないと考えています。

葉梨前大臣の発言に関する質疑について

【記者】
葉梨前大臣の辞任の経緯があり、今後齋藤大臣の発言は非常に注目を集めることになると思いますが、法務大臣として発言の在り方をどうあるべきだとお考えでしょうか。

【大臣】
法務大臣としての発言の在り方というよりも、大臣であるということを考えますと、自分が果たさなければならない職責に影響が出るような発言は厳に慎まなければならないと思います。

【記者】
率直に、葉梨前大臣の問題視されている発言について、どういうふうに受け止めていらっしゃるか、教えてください。

【大臣】
私は、葉梨前大臣の発言について、葉梨前大臣自身がきちんと説明責任を果たすべきだと考えておりますので、「私自身がこうだ。」という考えは持ち合わせていませんが、私が死刑制度についてどう考えるかについては、先ほど申し上げたとおりです。

【記者】
死刑制度の関連で、葉梨前大臣は死刑執行を命じる法務大臣の役職を「地味な役職」と発言されていました。今回、死刑執行を命じる法務大臣の役職をどのように考えられているか、改めて教えてください。

【大臣】
先ほど申しましたとおり、葉梨前大臣の発言については、御本人がきちんと説明責任を果たされるということですので、私からは申し上げませんが、私は死刑は人の生命を絶つ極めて重大な刑罰であると考えていますので、その執行に際しては、慎重な態度で臨む必要があるのだろうと思っています。それと同時に、法治国家においては、確定した裁判の執行も厳正に行われなければならないということは言うまでもないことだと思います。特に、死刑の判決というのは、極めて凶悪かつ重大な罪を犯した者に対して、裁判所が慎重な審理を尽くした上で言い渡すものですから、私としては、裁判所の判断を尊重しながら、法の定めるところに従って慎重かつ厳正に対処していきたいと考えています。