令和5年9月13日(火)小泉法務大臣初登庁後記者会見の概要

死刑制度及び執行への考え方に関する質疑について

【記者】
法務大臣の重大な職務の一つに死刑の執行があるかと存じますが、死刑制度の在り方と執行に対する考え方を伺えますでしょうか。

【大臣】
まず死刑制度存廃について、私が改めていうまでもありませんが、刑事司法制度の根幹です。そこに関わる、触れる、波及していく重要な問題でありますので、狭い範囲の議論ではなく国民世論という広い世論に十分配慮して、くみ取って、そして社会における正義の実現、そういったものも大きな要素でありますので、そういった様々な観点、やはり国民世論ですね、社会における正義の実現、そういったものを慎重に勘案して、慎重に検討するべき、慎重であるべき問題だと思います。いくつか歴史的に世論調査があるようです。直近の調査でも国民世論の多くが、悪質凶悪な犯罪については、死刑もやむを得ないというふうに考えていらっしゃるようでありまして、多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪が、いまだ後を絶たない状況等を鑑みると、罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては死刑を科することもやむを得ないので、やはり、死刑を廃止するということは、現時点では適当ではないというふうに考えております。非常に重要な問題なので軽々に判断を下せない。その中で、まだ(死刑は)必要だという国民世論が多かった。そのことも踏まえる必要がある。そんなふうに思っております。
刑の執行についてですが、これも脈絡は同じですね。人の命を絶つ非常に重大な刑罰でありますので、その執行に際しては、慎重な態度、気持ち、心構え、そういうもので臨んでいかなければならないということだと思います。同時に、法治国家として確定した判決の(刑の)執行は厳正に行わなければならないという原則も曲げることは難しい。従って、裁判所の判断というものを尊重しつつ、個々の事例によりますけれども、慎重であり、また、厳正でなくてはならない非常に苦悩する部分です。慎重でありかつ厳正に対処する。中々言葉がぴたっとはまりませんけれど、御理解いただきたいと思います。