令和7年11月11日(火)死刑制度に関する質疑について

死刑制度に関する質疑について

【記者】
 死刑制度についてお聞きします。先週末より、立正大学で日弁連などによって東アジアで死刑制度に関するシンポジウムが3日間にわたって開催されました。結論でいえば、死刑は抑止力がありませんし、正義ではなく、復讐です。被害者や遺族の心のケアにはなりません。死刑囚にとって精神的な拷問と言わざるを得ません、などなどという結論になっているんですけれども、それに対して日本の政府は、いつも死刑はやむを得ない刑罰と強調していますが、説得力のある理由を説明いただけますか。やむを得ないという意味の説明をいただけますでしょうか。
 また、死刑制度についての、存続か廃止かについての国会での議論が必要ではないでしょうか。

【大臣】
 死刑制度の存続は、我が国の刑事司法制度の根幹に関わる重要な問題であり、国民世論に十分配慮しつつ、社会における正義の実現等様々な観点から慎重に検討すべき問題であると認識しています。
 国民世論の多数が、極めて悪質で凶悪な犯罪については、死刑もやむを得ないと考えているところであり、多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況に鑑みると、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては、死刑を科することもやむを得ないものと考えています。
 したがって、死刑を廃止することは適当でないと思います。

【記者】
 先ほどの質問との関連性があるんですけれども、先ほど大臣が読んでくれたメモは、私10回ぐらいは聞いたことがあるものですけれども、やむを得ないっていう意味は何でしょうか。どの理由でやむを得ないっていうことで、あと、また大臣は個人的に死刑制度ということは考えたことがあるのでしょうか。

【大臣】
 やむを得ないというのは、その言葉どおり、やむを得ないわけでして、死刑に相当する犯罪が行われたということは、事実ですので、そのような点から、死刑を量刑として認めることは、納得のいくことだと思います。

【記者】
 誰かを殺した人を殺していいっていう意味ですよね。

【大臣】
 いや、そうではないでしょう。

【記者】
 正義と復讐の違いはどこにあるんでしょうか。

【大臣】
 法務大臣としては、先ほど述べたとおりです。死を以て死をなすという因果応報の関係ではない。殺された状況、そういうものを見て、被害者が死んだ場合は必ず死刑にするわけではないわけでして、その時の状態などをいろいろ総合的に勘案して、死刑の判断をするものですので、おっしゃるような因果応報的な考え方ではないと思います。