令和5年3月17日(金)法務大臣閣議後記者会見の概要

【記者】
袴田事件に関してですが、今朝の朝刊で、高検が特別抗告をすることを検討しているという記事が出ているのですが、法務省に対して、袴田さんの救援議員連盟の塩谷議員が「特別抗告を絶対に阻止してほしい。場合によっては大臣の指揮権も発動してほしい。」ということをお願いしたということが(本月)15日にあるのですが、これに対しての受け止めと対応をお伺いしてもよいでしょうか。

【大臣】
まず、御指摘の議員連盟に所属する国会議員の皆様方から、いわゆる袴田事件に関して申入れがなされたという、その旨は報告を受けて把握しております。ただ、お尋ねの件については、個別の再審請求事件に関わる事柄でありますので、法務大臣として何らかのコメントを述べることは差し控えたいなと思っています。

【記者】
袴田さんの事件の関連でお尋ねいたします。袴田さんを含めて、死刑囚の中に再審請求中の方というのはかなりいらっしゃると思うんですけれども、今後の死刑の執行の判断に関して、何か影響が今回の決定であるかどうか、お聞かせください。

【大臣】
まず、袴田さんの件については個別のお話なので、お答えは差し控えますが、再審請求中であるということをもって、刑事訴訟法上、死刑の執行停止事由とはされていないことは、御承知のとおりであります。
死刑の判決は、極めて凶悪かつ重大な罪を犯した者に対して、裁判所が慎重な審理を尽くした上で言い渡したものでありますので、法務大臣としては、裁判所の判断を尊重しつつ、法の定めるところに従って、慎重かつ厳正に対処すべきものだというふうに考えているところであります。

【記者】
袴田事件で個別は答えられないというお話ですけれども、御存じのように、日弁連からも特別抗告を断念するように強く求める声明が出されております。袴田さんのお姉様、支援団体等々も、これまで47年間の長期勾留も含めて、袴田さんが受けてきた部分のことを含めて、特別抗告を断念してほしいと、再三繰り返しておられます。世論の中でも、再審法改正を含めた見直しも必要じゃないかなど、色々議論が出ている中で、今日の読売のような報道が出ました。個別は答えられないということですけれども、大臣自身は、高裁のこの間の判断を含めて、どのようにこの事件を見ているかというのを、聞かせられる範囲内でよいので、お答えいただきたいです。

【大臣】
これは何度も御答弁申し上げて申し訳ないですけれど、個別の検察の判断に対する私のコメントにもなりかねません。個別事件における裁判所の判断、あるいは検察の判断について、法務大臣の立場として見解を述べることは、私はやはり差し控えるべきなんだろうというふうに思っているわけでありますので、その点は恐縮ですけれど御理解いただきたいなというふうに思っています。