表の記載順序は、原則として事件を終了させる裁判の日を基準とし、控訴・上告が取下げられた場合は取下げの日、決定で控訴が棄却された場合は当該決定の日によっています。
表の左端に付された番号は、死刑確定者の現在数を把握する便宜上、付しているものであり、死刑確定の順序を示すものではありません。※本ページの引用方法(推奨):CrimeInfo(crimeinfo.jp)掲載『死刑確定者リスト 全リスト』より引用

該当件数:14件

1 日高信子 執行
97.8.1
享年51歳
(読97.8.2朝)
84.5.5
(読87.3.9夕)
87(昭62).3.9
札幌地裁
(読87.3.9夕)
控訴取下
88(昭63).10.11
(読88.10.15朝)
いわゆる夕張保険金目当て放火殺人事件。夫の日高安政死刑確定者と共謀し、暴力団組員に指示して経営していた炭鉱従業員宿舎に放火させ全焼させた。これにより作業員4人と子供2人が焼死、失火を装って保険会社から保険金をだまし取った。一審では殺意の有無が争点となり、信子死刑確定者は、飲酒すると泥酔することの多かった1人については未必の故意を認めたが、「犠牲者が出ないようにと指示したのに(実行犯が)言ったとおりにやらなかった」と主張。判決は、被害者らに飲酒させた後就寝間もない時間を狙って放火させている点などから未必の故意を認定した(読87.3.9夕)。大喪の礼に伴う恩赦を期待して控訴取り下げ、確定。深く反省して事件について文章をまとめる毎日を過ごしていたという(毎89.2.8夕)。審理再開申立もしたが、棄却(読97.6.3朝)。
2 諸橋昭江 病死
07.7.17
享年75歳
間質性肺炎(07.7.18 夕)
74.8.8/
78.4.24
(朝日86.6.5夕)
80(昭55).5.6
東京地裁
(読80.5.7朝)
86(昭61).6.5
東京高裁
昭55(う)1160
高刑速(昭61)150頁
TKC D1-Law
(朝日86.6.5夕)
91(平3).1.31
最高裁
昭62(あ)96
裁判所ウェブサイト
(読91.2.1朝)
いわゆる自殺偽装夫殺害事件。夫に愛人ができたことから、夫を殺して退職金を手に入れようと計画。自らの愛人と共謀して夫をガス事故死に見せかけて殺害したとされる。その後、他の男性(雇っていたホステスの内縁の夫)も殺害した。2人目被害者の遺族に対しては慰謝料を支払っており、控訴審において、その遺族から寛大な刑を希望する旨の嘆願書が提出された。夫殺しは「自殺である」として無罪を主張(読91.2.1朝)。91年「夫の死は自殺だった」と再審請求(毎91.8.31朝)。2007年7月、心筋梗塞と診断され都内の病院で治療を受けていたが、2か月後に間質性肺炎により死亡(朝日07.7.18夕)。
3 永田洋子 病死 11.2.5 享年65歳 脳腫瘍によ る多臓器不 全(読 11.2.6朝) 71~72.2 (一審判決) 82(昭57).6.18 東京地裁 昭44(合わ)273等 判時1052号24頁 TKC D1-Law (読82.6.19朝) 86(昭61).9.26 東京高裁 昭57(う)1339 判タ623号229頁 判時1218号3頁 TKC D1-Law (読86.9.26夕) 93(平5).2.19 最高裁 昭61(あ)1427 裁判所ウェブサイト (読93.2.19夕) いわゆる連合赤軍事件。マルクス・レーニン主義及び毛沢東思想を信奉し、反米愛国、日本独占資本打倒などをスローガンとして掲げ、民族解放及び人民暴力主義革命を目的とした活動を行う革命左派に所属。その仲間2人を殺害した「印旛沼殺人」、「総括」の名の下に10人を死亡させ(うち1人は傷害致死)2人を「処刑」して殺害した「山岳ベース大量リンチ殺人」、警官2人と民間男性1人を殺害、16人に重軽傷を負わせた「あさま山荘銃撃戦」など(朝日93.2.19夕)。一審で、実質的に首謀者であると認定された(読82.6.19朝)。共犯の1人が坂口弘死刑確定者。その他の共犯1人は超法規的措置により釈放、出国(読93.2.19夕)。2001年7月、再審請求(読01.7.4朝)。2006年11月28日、東京地裁で棄却(読06.12.2夕)。即時抗告中に脳腫瘍による多臓器不全により死亡(朝日11.2.6朝)。82年から発表した「十六の墓標」では、「連合赤軍の経験を大衆的に総括するため」残虐なリンチで14人の仲間を次々に殺していった状況を詳細に公表。最高裁で死刑が確定した93年に支援者の男性と獄中結婚、84年に脳腫瘍の手術を受けた後は体調不良が続き、会話もできない状態だった(読11.2.6朝)。93年には病院への移送を求める訴えを起こすなどしていた(読93.12.10夕)。
4 宮崎知子 80.2.23
~3.6
(朝日88.2.9夕)
88(昭63).2.9
富山地裁
昭55(わ)74等
判タ673号187頁
TKC D1-Law
(朝日88.2.9夕)
92(平4).3.31
名古屋高裁金沢支部
昭63(う)69
判タ799号48号
TKC D1-Law
(朝日92.3.31夕)
98(平10).9.4
最高裁
平4(あ)1067
裁判所ウェブサイト
(朝日98.9.5朝)
いわゆる富山・長野2女性誘拐殺人事件(警察庁広域重要指定111号事件)。富山、長野両県で女子高校生、OLが相次いで身代金目的で誘拐・殺害された事件。犯行を共謀・主導したとして宮崎死刑確定者の愛人も起訴されたが、両事件とも誰が殺したかを示す有力な証拠がなく、2人の捜査段階の自白調書が信用できるかどうかが大きな争点となり、愛人は無罪、宮崎死刑確定者の単独犯との判決が下った。宮崎死刑確定者は無罪を主張していたが、控訴審で1件については一転殺害事実を認めた。
2016年2月18日、第4次再審請求。2017年3月23日、富山地裁で請求棄却(D1-Law平28年(た)1号)。即時抗告したが(朝日17.3.29朝)、2018年3月、名古屋高裁金沢支部が即時抗告を棄却(東京18.3.28朝)。2021年1月、富山地裁が5度目の再審請求を棄却(北日本21.1.14朝)、2023年8月名古屋高裁金沢支部が宮崎死刑確定者側の即時抗告を棄却、最高裁に特別抗告している(日テレ23.10.3 15:50)。
事件をテーマにしたノンフィクション小説で人格権が侵害されたとして提訴、2000年に名古屋地裁が佐木隆三氏と出版社に損害賠償の支払いを命じた(朝日00.1.26夕)。
1998年7月に東京拘置所に収監中の死刑確定者と養子縁組しており、上告審判決時は藤波姓(北日本98.9.5朝)、その後、2000年1月時点では迫姓(北日本00.1.17朝)、それ以降の報道では宮崎姓となっている。
逮捕時(80.3.30)34歳(読80.3.31朝)。
5 坂本春野 病死 11.1.27 享年83歳 肝臓がん (読11.1. 28朝) 87.1.17 ~92.8.19 (読00.9. 28夕) 98(平10).7.29 高知地裁 (読98.7.30朝) 00(平12).9.28 高松高裁 (読00.9.28夕) 04(平16).11.19 最高裁 平12(あ)1634 裁判所ウェブサイト (読04.11.20朝) いわゆる高知連続保険金殺人事件。確定時77歳。妹やその夫と共謀し、自宅で自分の夫を酔わせたうえ、鼻や口をふさいで窒息死させ、「就寝中に死亡した」などと偽って保険金をだまし取った。また別の知人男性と共謀し、同居人女性を石で殴って殺害、遺体を道路に放置して交通事故を装い保険金をだまし取ろうとしたとされる。夫殺害について「自白は強要されたもの」として一審から無罪を主張。一審では認めていたもう1人の殺害についても控訴審では「他の共犯者の単独犯」と翻した(読00.9.28夕)。肝臓がんで大阪医療刑務所にて死亡(読11.1.28朝)。
6 石川恵子 96.8.29 /97.6.13 (朝日01. 6.21朝) 01(平13).6.20 宮崎地裁 (読01.6.21朝) 03(平15).3.27 福岡高裁宮崎支部 平13(う)67 裁判所ウェブサイト (読03.3.28朝) 06(平18).9.21 最高裁 平15(あ)894 裁判所ウェブサイト (読06.9.21夕) いわゆる宮崎2女性殺人事件。父の経営する工務店が資金繰りに窮したため、直接面識のない女性を自宅から誘い出して絞殺、所持金を奪って遺体を畑に埋めた。その翌年には知人を絞殺、遺体を遺棄、知人名義のキャッシュカードで現金を奪った。弁護側は精精神分裂病による心神耗弱を主張したが、一審宮崎地裁は精神分裂病を否定し、責任能力を認定したが、裁判長は「別の裁判所に判断を仰ぐことを勧める」と事実上控訴を勧める異例の意見を付け加えた(東京01.6.21朝)。知人の事件については別人が殺害に関与したとも主張。2012年10月11日「心神喪失で責任能力はなかった」として宮崎地裁に再審請求(毎13.11.10朝)、2015年10月30日棄却(毎18.11.6西部朝)。弁護側が即時抗告したが、2019年3月福岡高裁宮崎支部も地裁の決定を支持(宮崎日日19.3.26朝)。逮捕時(97.11.12)40歳(読97.11.12夕逮捕時(97.11.12)40歳(読97.11.12夕)。
7 江藤幸子 執行 12.9.27 享年65歳 (読12.9. 27夕) 95.1~6 (一審判決) 02(平14).5.10 福島地裁 平7(わ)87等 TKC D1-Law (読02.5.11朝) 05(平17).11.22 仙台高裁 平14(う)108 判タ1237号336頁 TKC D1-Law (読05.11.23朝) 08(平20).9.16 最高裁 平18(あ)99 裁判所ウェブサイト (読08.9.17朝) いわゆる須賀川祈祷師殺人事件。狐などの動物霊を追い出すことを口実とし、「御用」と称する暴行を被害者2名に加え続けて死亡させた。また、殺意をもって同様の暴行を被害者5名に加え続け、うち4名を殺害。共犯者2人が無期懲役、1人が懲役18年の判決となった。初公判では暴行を加えた事実は認めたが、共謀と殺意を否定。憑依トランス状態に陥り、心神喪失状態だった、として無罪を主張した。控訴審でも、『御用』が殺人につながるとの認識はなかったと主張。「犯行当時は意識が著しく変化した『憑依状態』だった」とする精神鑑定が出たが、仙台高裁も最高裁も責任能力はあったと認定した。再審請求準備中に執行された(朝日12.9.27夕)。
8 林真須美 1998.7.25
(控訴審判決)
02(平14).12.11
和歌山地裁
平10(わ)465
裁判所ウェブサイト
(読02.12.12朝)
05(平17).6.28
大阪高裁
平15(う)250
判タ1192号186頁
TKC D1-Law
(読05.6.28夕)
09(平21).4.21
最高裁
平17(あ)1805
裁判所ウェブサイト
(読09.4.22朝)
いわゆる和歌山毒物カレー事件。夏祭りのカレー鍋にヒ素を混入して4人を死亡させ、63人を急性ヒ素中毒にさせたとされる。一貫して無罪を主張。弁護側は上告審で「保険金詐欺は何度も繰り返していたが、カレー事件のような無差別殺人を起こす動機がない」と主張した。2009年7月22日、再審請求(朝日09.7.2夕)。2017年3月29日、和歌山地裁で棄却(朝日17.3.31朝)。即時抗告したが(朝日17.4.4朝)、2020年3月24日大阪高裁は、河合教授の指摘は鑑定の信頼性を直ちに損なうものとはいえないとし、鑑定結果以外の間接事実を総合考慮しても林死刑確定者が犯人であるとの推認が強く働くとして和歌山地裁決定を支持して弁護側の即時抗告を棄却(朝日20.3.25朝)。弁護側が最高裁に特別抗告している(朝日20.4.9朝)。2021年、事件は第三者の犯行だとして新たに和歌山地裁に再審請求を申し立て、5月31日付で和歌山地裁が受理している(朝日21.6.17朝)。その直後、同年6月20日付で再審請求の最高裁への特別抗告を取下げた(朝日21.6.25朝)。2023年1月31日付けで和歌山地裁が2回目の再審請求を棄却、2月上旬に大阪高裁に特別抗告した(23.7.21 18:26時事)。2024年2月、和歌山地裁に3回目の再審請求。祭会場と林死刑確定者の自宅で見つかったヒ素が同じだったという鑑定や、林死刑確定者の毛髪からヒ素が検出されたという鑑定が誤りだった等主張している(産24.2.20 20:09)。
2022年8月、弁護人が「犯罪を犯したと疑う相当な理由がない」として林死刑確定者の釈放を求める申立書を和歌山地裁に提出、カレー事件とは別の殺人未遂事件や保険金詐欺事件についても既に再審請求したという(毎22.9.1和歌山)。同年9月、和歌山地裁は釈放を求める申立書を却下した(毎22.9.5和歌山)。
民事訴訟多数。05年、最高裁は、法廷内の手錠・腰縄姿を撮影・描写したイラストが週刊誌に掲載されるのは肖像権の侵害にあたると判断(朝日05.11.11朝)。13年、再審弁護団との接見で、職員の立会いがあり、時間が制限された、また、パソコン使用の許可を拘置所から得られず接見が妨害されたとして国家賠償請求を提訴(朝日13.12.14夕)、立会いについてのみ大阪地裁は国に賠償を命じた(朝日16.1.16朝)。弁護士に再審弁護団への参加を求めて書いた手紙の発信が許可されず、国に損害賠償を求めて提訴、大阪地裁は「再審のため弁護人を選ぶ権利を侵害した」と認めた(朝日13.10.18朝)。自身の絵画作品を無断で使用されたとして2020年6月12日付で真宗大谷派に損害賠償を求めて提訴(京都20.9.10)、2021年6月8日、京都地裁は、絵画の所有権は死刑囚の表現作品を募集している基金に譲渡されたと認めて「所有者の同意を得ており、展示権の侵害があったとはいえない」として請求を棄却した(京都21.6.8)。2020年10月11日付で、エッセーで名誉を棄損されたとして柴門ふみさんに損害賠償を求めて提訴(毎21.2.18徳島)、徳島地裁での第1回口頭弁論に双方の関係者が出廷せず、訴訟は休止扱いとなった(毎21.3.3)。弁護士と面会した際にパソコンの使用が制限されたり時間延長が認められなかったとして提訴、2021年11月、大阪地裁は、資料やデータの入ったパソコンの使用も打ち合わせに必要不可欠であり、秘密交通権として保障される行為であるとして国に対して89万円の支払いを命じた(産21.11.11 19:14)。ヒ素に関する虚偽の鑑定結果によって死刑判決が確定したとして鑑定人2人に損害賠償を求めて提訴、2022年3月、大阪地裁は林死刑確定者側の請求を棄却したが、カレーに含まれたヒ素と林死刑確定者の自宅から検出されたヒ素を同一とした鑑定などに「一部正確性を欠く前提や表現がある」とした(産22.3.11 19:27)。事件当時の記事などによって名誉を傷つけられ、プライバシーを侵害されたとして出版社に1000万円の損害賠償を求めた裁判で、東京地裁は2022年7月14日、請求棄却の判決を言い渡した。林死刑確定者の自宅や子供がいたとされる施設の写真も掲載されていたが、記事には公益性があるとして不法行為は成立しないと判断された(弁護士ドットコムニュース22.7.14 19:50)。
2019年林死刑確定者の長男が手記を出版(『もう逃げない。~いままで黙っていた「家族」のこと~』)。
逮捕時(98.10.4)37歳(朝日98.10.5朝)。
9 風間博子 93.4.20 ~8.26 (一審判決) 01(平13).3.21 浦和地裁 平7(わ)114等 判タ1064号67頁 TKC D1-Law (読01.3.22朝) 05(平17).7.11 東京高裁 平13(う)1227 TKC D1-Law (読05.7.11夕) 09(平21).6.5 最高裁 平17(あ)1840 裁判所ウェブサイト (読09.6.6朝) いわゆる埼玉愛犬家連続殺人事件。関根元死刑確定者の元妻。関根死刑確定者と共謀して、外国犬を不当な価格で購入させられ売買代金の返却を求めた会社役員の男性、男性の殺害に気付いて財産的要求をしてきた暴力団幹部の男性とその運転手の合計3人を硝酸ストリキニーネを飲ませて殺害、遺体を捨てたとされる。遺体が解体、焼却されるなど物証が乏しく、捜査は難航、警察は群馬県の山中を捜索し、被害者のものとみられる骨片や所持品を見つけ、関根・風間両死刑確定者の逮捕に踏み切った(朝日09.6.6朝)。会社役員殺害については無罪を主張。暴力団幹部と運転手については、死体遺棄は認めた名古屋拘置所の収容者と文通していることを拘置所職員に漏洩されたとして国に慰謝料を求めて提訴、名古屋地裁は漏えい情報はプライバシーにあたるとして国に慰謝料の支払いを命じた(読14.7.5夕)。2014年7月の時点で再審請求中(朝日14.7.5夕)。逮捕時(95.1.5)37歳(朝日95.1.6朝)。
10 吉田純子 執行 16.3.25 享年56歳 (読16.3. 25夕) 98.1 ~99.3.27 (一審判決) 04(平16).9.24 福岡地裁 平14(わ)561等 裁判所ウェブサイト (読04.9.25朝) 06(平18).5.16 福岡高裁 平16(う)678 高刑速(平18)294頁 TKC D1-Law (読06.5.16夕) 10(平22).3.18 最高裁 平18(あ)1372 裁判所ウェブサイト (読10.3.19朝) いわゆる看護師連続保険金殺人事件。元看護師。元治験コーディネータの女(無期懲役が確定)ら3人と共謀、98~99年、共犯者の夫ら2人を注射器を使って静脈に空気を注入したり、鼻から医療用チューブで大量のウィスキーを流し込むなどして殺害、保険金約6750万円をだまし取った。公判では起訴事実を認めたが(読02.8.28朝)、その後黙秘に転じ(03.4.17西部朝)、最後の被告人質問では「命をもって償いたい」と述べた(読04.3.19西部朝)。弁護側は一審で従属的立場であったことを主張したが、判決では主犯格とされた。逮捕時(02.4.28)42歳(朝日02.4.29朝)。
11 北村真美 04.9. 16~17 (朝日07.2. 27夕) 06(平18).10.17 福岡地裁久留米支部 (朝日06.10.18朝) 07(平19).12.25 福岡高裁 平18(う)737 裁判所ウェブサイト (朝日07.12.26朝) 11(平23).10.3 最高裁 平20(あ)254 裁判所ウェブサイト (朝日11.10.4朝) いわゆる大牟田市4人連続殺害事件。北村真美死刑確定者とその夫(北村実雄死刑確定者)、長男(北村孝)、次男(井上孝紘※旧姓・北村)の一家四人が死刑判決を受けた。井上孝紘・北村孝両死刑確定者が共謀し、知人女性方で女性の次男を殺害、貴金属入りの金庫を奪う。その後、一家4人で共謀して女性を殺害、現金を奪い、次男を探していた兄とその友人も殺害した。起訴事実を認めた真美・孝紘死刑確定者と、否定する北村実雄・孝死刑確定者とで公判が分離された(朝日06.10.17夕)。真美死刑確定者は控訴審で「従属的な立場だった」と主張、上告審では、殺害行為には直接かかわっていないことから他の共犯者と比べて量刑不当と主張したが(朝日11.9.10朝)、「殺害は実行していないが、孝、孝紘被告人を犯行に巻き込むなど積極的に関与した」とされた。逮捕時(04.9.22)45歳(読04.9.22夕)。
12 土井佳苗 (旧姓名 木嶋佳苗) 09.1 ~09.8
(一審判決)
12(平24).4.13
さいたま地裁
平21(わ)1809等
裁判所ウェブサイト
(読12.4.14朝)
14(平26).3.12
東京高裁
平24(う)1240
TKC D1-Law
(読14.3.13朝)
17(平29).4.14
最高裁
平26(あ)639
裁判所ウェブサイト
(読17.4.15朝)
いわゆる首都圏連続不審死事件。裁判員裁判。旧姓木嶋。婚活サイトで知り合った40~80代の男性3人と真剣な交際を装って多額の金を受け取り、交際を巡る嘘の発覚を逃れるため、3人を睡眠薬で眠らせて練炭を燃やし、一酸化炭素中毒などで殺害したとされる。土井死刑確定者の殺害行為を裏付ける直接的な証拠は乏しく、公判では一貫して無罪を主張。判決は、ぜいたくな暮らしをするため自殺に見せかけて殺害しており計画的で悪質、とされた。再逮捕時(10.2.1)25歳(朝日10.2.1夕)。
13 上田美由紀 食べ物をのどに詰まらせた窒息
23.1.14
享年49歳
(朝日23.1.16朝)
09.4.4
/10.6
(一審判決)
12(平24).12.4
鳥取地裁
平21(わ)156等
TKC D1-Law
(読12.12.5朝)
14(平26).3.20
広島高裁松江支部
平24(う)58
TKC D1-Law
(読14.03.21朝)
17(平29).7.27
最高裁
平26(あ)589
裁判所ウェブサイト
(読17.7.28朝)
いわゆる鳥取連続不審死事件。裁判員裁判。借金の返済などを免れる目的で男性2人にそれぞれ睡眠導入剤を飲ませ、海岸や川でおぼれさせて殺害するなどした。強盗殺人について一貫して無罪を主張したが、判決は、上田死刑確定者が犯人であることは合理的な疑いのない程度に証明されている、とした。2023年1月14日、広島拘置所の居室で食べ物をのどに詰まらせて倒れ、職員が口から食べ物を取り除くなどしたが、救急搬送された外部の病院で死亡が確認された。死因は窒息で、法務省によると自殺ではないとのこと(TBS23.1.15 12:13)。亡くなる4日前にも昼食中に意識を失い救急搬送されたが、検査で異常は見つからず拘置所に戻り、硬い物も食べていたため咀嚼できる状態であると判断されて食事内容の変更はなかったという(朝日23.1.16朝)。逮捕時(10.1.28)36歳(朝日10.1.29朝)。
14 筧千佐子 07.12.18 /12.3.9 /13.9.20 /13.12.28
(一審判決)
17(平29).11.7
京都地裁
平26(わ)1589
裁判所ウェブサイト
(朝日17.11.8朝)
19(令元).5.24
大阪高裁
平30(う)128
裁判所ウェブサイト
(朝日19.5.25朝)
21(令3).6.29
最高裁
令1(あ)953
裁判所ウェブサイト
(朝日21.6.30朝)
いわゆる青酸連続死事件。裁判員裁判。2013年12月、自宅で死亡した高齢男性の体内から青酸化合物が検出され、妻である筧死刑確定者が逮捕された。被害者とは結婚相談所を通じて知り合い、死亡の前月に再婚していたが、捜査の過程で、それまでに筧死刑確定者は結婚相談所で知り合うなどして再婚や交際を繰り返し、相手が亡くなるたびに遺産を相続していたことが判明。再婚・交際の相手は10人を超え、そのうち6人が死亡、ほかは体調不良となっていたという。死亡した相手についてはいずれも「病死」など自然死とされ、ほとんどが解剖もされていなかったが、バイク事故の後に死亡した交際相手の血液が保管されており、再鑑定の結果、青酸化合物が検出された(朝日14.11.19夕)。 最終的に、①2013年12月、遺産を取得する目的で夫を殺害、②2012年3月、遺産を取得する目的で交際相手を殺害、③2007年12月、債務の弁済を免れようとして殺害しようとしたが、全治不能の高次機能障害等の傷害を負わせた、④2013年9月、遺産を取得する目的で交際相手を殺害、の4つの事件で起訴された。弁護側は、青酸を飲ませた証拠はないとして殺害を否定、また、被害者が本当に殺害されて死亡したのかについても疑問を呈し、また、認知症のため責任能力も訴訟能力もないとして無罪を主張した(朝日17.6.26夕)。筧死刑確定者は、捜査段階では自白したとされるが(朝日19.5.25朝)、公判での供述は二転三転した(朝日17.11.18朝)。 第一審判決は、③④の事件で青酸化合物は検出されていなかったが、③④ともに当時の症状から青酸中毒だったと認定。筧死刑確定者が通常入手困難な青酸化合物を所持しており、当時の状況において犯行が可能だったのは筧死刑確定者以外に存在しなかったことから、全ての事件で筧死刑確定者がカプセルに入れた青酸化合物を被害者に服用させたとした。また、事件当時の筧死刑確定者は認知症その他の精神疾患に罹患していなかったとの精神鑑定をもとに、犯行時点では完全責任能力を有しており、逮捕後の鑑定時は認知症に罹患していたが軽症であって、精神鑑定から1年後の判決時でも症状は大きく変化しておらず訴訟能力も有すると認定した。 控訴審では、弁護側は精神鑑定を請求したが却下され、第一審の判決が支持される形で控訴は棄却された。認知症についても、その進行の度合いが緩徐であるから第一審判決時から約1年半を経過しても訴訟能力があるとみるべきとされた。2022年9月、弁護人側が④の事件について、死因は青酸中毒ではなく病死だと主張、医師の鑑定書を新証拠として京都地裁に再審請求した。被害者の死因は当初は「肺がん」と診断され、司法解剖されていなかった(毎22.10.16朝)。逮捕時(14.11.19)67歳(朝日14.11.19夕)。
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