平成27年10月6日(火)

名張毒ぶどう酒事件と刑事訴訟法等の一部改正法案に関する質疑について

【記者】
名張毒ぶどう酒事件で無実を訴え続け,第9次の再審請求をしていた奥西勝死刑確定者が4日,収容先の八王子医療刑務所で死亡しました。1審無罪,第7次再審請求で再審開始が決定され,えん罪が疑われる中,収容先で死亡したことについて,御所感を伺いたいと思います。
また,弁護団は「検察側の証拠が十分に開示されていない。弁護側に有利な証拠が隠されている可能性がある。」と訴え続けています。継続審議になった刑事訴訟法などの改正案では,検察官保管証拠の一覧表を被告側に交付することが盛り込まれていますが,検察官保管証拠の全面開示を求める声が根強くあります。これについて,いかがお考えでしょうか。
【大臣】
個別の死刑執行に関わる事柄についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
また,証拠開示関係の改正に係る御質問がありましたけれども,争点及び証拠の整理が十分に行われるようにするための現行の証拠開示制度を前提として,これをより機能的なものとするため,検察官が保管する証拠の一覧表を交付する手続を導入するなどの改正を行うこととしています。
お尋ねのありました再審請求審における証拠開示制度については,法制審議会の特別部会においても様々な議論が行われた上で,様々な問題も指摘されましたが,答申において法整備の対象とされなかったところであり,指摘された問題も踏まえ,更に検討することが必要であると考えているところです。
【記者】
名張毒ぶどう酒事件の関連で,死刑確定から43年間刑が執行されないまま死去したという事態について,今後もこういうことが起こり得ると思います。死刑制度そのものについての問題だという声もあると思うのですけれども,大臣は,死刑制度について問題があるのではないかというお考えはないでしょうか。
【大臣】
死刑という制度そのものは,日本がこれまで維持してきた制度ですが,命を奪うという極刑ですので,大変重要な重い制度であると考えています。
それぞれ個人の意見はあると思いますが,法務大臣として,今の法の仕組み,枠組を前提として行動するということが第一義であり,この死刑制度についても,歴代の法務大臣と同様に基本的に現行の法を前提として,これを尊重していくということで,私自身,法務大臣に任命されたときにもそのように申し上げてきたところです。
一つ一つの事例について,正に鏡を磨いていくと,磨ききって磨ききっていくというような澄んだ心でこの制度に対しても厳正に向き合う必要があると思っていまして,そういうことにつきましては,変わらない思いです。